遮熱フィルムと断熱フィルムの違いとは?性能と使い分け方を解説
窓ガラスフィルムには「遮熱フィルム」と「断熱フィルム」の2種類があります。それぞれ窓ガラスに貼るものですが、効果が異なるため、目的に応じて使い分けなくてはなりません。そこで本記事では、遮熱フィルムと断熱フィルムの違いについて説明します。それぞれのメリットとデメリット、使い分けについてもお伝えするので、フィルムを選ぶ際の参考にしてみてください。
この記事を読むための時間:3分
遮熱フィルムと断熱フィルムの違い
遮熱フィルムと断熱フィルムは、どちらも窓に貼って室内を快適な環境に保つためのものです。それぞれの特徴について説明します。
遮熱フィルムとは
遮熱フィルムは、熱を反射・吸収し、室内の温度上昇を抑える効果のあるフィルムです。PETフィルムや酸化膜、プラスチックフィルムなどを貼り合わせた構造になっています。遮熱シートは素材や構造によって性能や使い心地が変わるので、目的に合わせて選ぶことが大切です。
断熱フィルムとは
断熱フィルムは、部屋の温度を一定に保つ効果のあるフィルムです。外部からの日射熱を外に反射すると同時に、室内の暖気も室内側に反射させるため、室内の温度を一定に保てます。なかには、遮熱機能を備えた断熱フィルムもあります。
遮熱フィルムと断熱フィルムのメリット・デメリット
遮熱フィルムと断熱フィルムのメリットとデメリットを紹介します。
遮熱フィルム | 断熱フィルム | |
---|---|---|
メリット | ・日射熱を反射し、室温の上昇を抑える ・紫外線をカットする機能が付いているものもある ・ガラスが割れた際の飛散防止になる ・目隠しタイプやすりガラス調など種類が豊富 |
・日射熱の流入をカットし、室温を一定に保つ ・冬の寒さ対策にも最適 ・窓ガラスの結露を防ぐ効果がある ・ガラスが割れた際の飛散防止になる |
デメリット | ・複層ガラスやLow-Eガラスなど適応しない窓がある | ・種類があまり多くない ・サッシに結露が発生しやすい ・窓が熱割れするリスクがある |
遮熱フィルムと断熱フィルムの使い分け
遮熱フィルムと断熱フィルムにはそれぞれ異なる特性があるため、目的に応じて使い分けましょう。
季節
遮熱フィルムは、外からの熱を反射させるため、春や夏、秋などの日差しが強い時期に最適です。暑さの原因となる日射熱を遮る効果があるため、室温上昇を防ぎ、エアコン効率を高めます。
一方で、断熱フィルムは冬の時期にも適しています。室内の暖かい空気を外に逃がさないため、暖房効率を上げて、快適な環境を整えてくれます。ただし、断熱フィルムは暑さ対策にも使えるため、1年を通じて利用可能といえるでしょう。
使用場所
遮熱フィルムは、日差しが強く差し込む窓や天窓など、外からの熱が入りやすい場所に貼るのが効果的です。また、外からの視線を遮りたいときは、目隠し機能の付いたシートを選ぶと良いでしょう。断熱フィルムは、なるべく複数の窓に貼った方が効果的です。ただし、水がかかり乾燥しにくい場所や、表面が高温になる場所、ストーブの火の側などに貼るのは避けましょう。
遮熱フィルムと断熱フィルムの注意点
遮熱フィルムと断熱フィルムを使用する際は、以下の3つに注意しましょう。
- ガラスによって貼れないものがある
- 製品によって効果が異なる
- 施工が難しい場合は業者に依頼する
ガラスによって貼れないものがある
フィルムによっては、複層ガラスやLow-Eガラス、網入りガラスなどに貼れない場合があります。適応していないガラスに貼ると、ガラス内部が蓄熱して膨張し、熱割れするおそれがあるため注意が必要です。窓ガラスの種類と、フィルムがその窓に対応しているかを事前に確認しましょう。
製品によって効果が異なる
製品によって、遮熱効果や可視光透過率などは異なります。また、目隠し効果やUVカット機能の付いたものもあるため、それぞれの性能を比較し、目的に合ったフィルムを選びましょう。
施工が難しい場合は業者に依頼する
大きな窓や、高い位置にある窓などは、脚立を使ったり複数人で作業したりする必要があり、シートをうまく貼れない可能性があります。また、気泡やシワができると、シートの効果が薄れるだけでなく見た目も損なわれてしまいます。施工が難しいと感じた場合は、無理をせずに専門業者に依頼したほうが安心です。
目的に合ったフィルムを選んで快適な室内にしましょう
遮熱フィルムと断熱フィルムは性能が異なるため、目的に合ったものを選ぶことが大切です。場所や季節によって使い分け、快適な室内環境を保ちましょう。
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